「ダーニング」という言葉をご存知ですか?
私はこの本に出会ってダーニングを知りました。
(注:クリックするとAmazonにとびます)
『野口光の、ダーニングでリペアメイク お繕(つくろ)いの本』(日本ヴォーグ社)
という本です。
「繕(つくろ)う」というのは、衣類のいたんだところを縫ってもとの形に近づくように直すこと。
すりきれたズボンの膝に別の布を縫いつけて丈夫にする、とか
靴下の穴をふさぐ、といったイメージです。
この「繕う」ことを英語では「ダーニング(darning)」というのです。
この本で紹介されているのは、穴があいたり、擦り切れたり、汚れたりしてしまった衣類や小物たちてす。
でも
え!こんなに素敵なのに、どこをどう繕ってあるの?
と疑いたくなるくらい可愛くておしゃれに変身しています。
ダーニングとは? お気に入りの服を長く楽しむためのシンプルで素敵な手仕事です
野口光の、ダーニングでリペアリング お繕(つくろ)いの本
ダーニングはヨーロッパで伝統的に行われてきた繕い方のことです。
基本の刺し方のパターンがいくつかあって、それを組み合わせていろんな応用に発展させています。
本書で紹介されているのは、基本のテクニック4つと応用テクニック9つです。
基本のテクニックは半返し縫いやブランケットステッチなど、家庭科の授業でも習うくらいおなじみのものです。
使用する糸は、手縫い糸、毛糸、刺繍糸、仕付け糸、ミシン糸、リボン、糸くずなどなど、なんでもいいの? といった感じで身近なものがたくさんあります。
紹介されている作品は、シャツ、Tシャツ、セーター、カーディガン、ワンピース、デニム、靴下、子供服、スポーツウェア、マフラーやバッグなどの小物類、インテリアなど。
布でできたものなら何でもできる、くらいの勢いです。
実際にどれも、シミがついたり穴があいたり生地が薄くなったりして、そのままでは着るのがためらわれるものばかり。
でも、ダーニングを施したら見違えるように素敵になりました。
裏表紙のダーニング作品(子供服)
色あざやかな糸を使ったり、シックな落ち着いた糸をさしたり、既成のものにオリジナルのワンポイントが加わるだけで世界に一つしかない逸品に生まれ変わっています。
表紙のセーターのダーニング
見ているだけで楽しくなりますよ。
もう一つ、面白いのがダーニングに使われる道具です。
きのこの形をしています。
かわいいです!
これを衣類の繕う部分の下にあてて上から針をさしていくのです。
▲ダーニングマッシュルーム(Amazonより引用)
ダーニングマッシュルームを使えば、
しまった!違う場所にも針を刺しちゃった!
ってこともありません。
できあがりもかわいいし、使う道具もカワイイ!
ちょっとやってみたくなりました。
おすすめの本
著者の野口光さんはイギリスでテキスタイルデザインを学ばれたテキスタイルデザイナーで、近年はダーニング人気の火付け役として有名な方です。
★こちらはダーニングという言葉が広く知られるようになった本
ダーニングに挑戦!
本を見ているうちに、私もやってみたくなりました。
この本でも、初心者には靴下のダーニングがおすすめ!と書かれていますので、
身近すぎるほど身近にある穴あきソックスでさっそく挑戦してみました。
用意したものは
穴あき靴下、
はさみ
糸(毛糸)
おたま(調理器具のおたまです)
そして、本を見ながらチクチクと、やってみること30分もかかったかな?という感じです。
縫う範囲が狭いのであっという間にできてしまいました。
刺し方も難しくありません。
糸の引っ張り具合は感覚で。
できあがりは思ったよりもいい感じ(自己満足にひたれる程度)です。
(現物は最後に貼っておきますが、期待しないでください)
材料も道具も家にあるものですべて賄えたのもポイント高い!!
道具(ダーニングマッシュルーム)がなくても身近なものでOK!
先ほど、ダーニングの道具として紹介したダーニングマッシュルームですが、
初めてダーニングを知った私が持っているはずがありません。
でも大丈夫。
ダーニングマッシュルームの代用品もちゃんと紹介されています。
その中から私が使ったのが
おたま
です。
おたまの背中を靴下の穴あき部分にあて、柄のところをゴムで留めて固定しました。
手を使ってやる方法も書いてありましたよ。
ほかにもキッチンで使うボウルや食器(ガラス製のものは注意が必要です)、ひょうたんなんかもありました。別の本には電球も(これも取扱注意)。
趣味の範囲で楽しむなら、こんなふうに身近な道具が使えるのもうれしいですね。
文房具や日用品、おもちゃなどほかにも使えるものを見つけるのも楽しそうです。
ダーニングでお気に入りの寿命が延びる、もっと好きになる
実際にやってみたらとても面白かったダーニング。これはハマりそうです。
ダーニングは何度でも繰り返し使えるそうです。
先に紹介した本の中で、著者の野口光さんがこんなことを書かれています。
ダーニングをしても縫った部分が永遠に丈夫になるわけではないので、また痛みが進んだら、今度は穴があく前にゴマシオダーニング(基本テクニックの一つ)を重ねて刺しましょう。ダーニングが何層にも重なって、思いがけないデザインが生まれて楽しいものです。
こんなことを続けていくと衣類が傷むことがストレスにならず、繕うことが楽しみに変わってきます。痛みを育てることが楽しくなれば、衣類と自分、モノと自分の関係も自然と変ってくるでしょう。自分の身の回りのものに自らが手を書けることが、どれだけ気持ちを整えてくれるか
そんな心地よさが堪能できる行為、それが私が皆さんにおすすめできる”ダーニング”なのです。
『野口光の、ダーニングでリペアメイク お繕いの本』p3より引用
最初は人の手で作られた服や小物も、自分で直せばどんどん愛着がわいて、捨てられなくなるのかもしれません。
こんなふうにしてお気に入りのものを長く使えるのっていいなぁと思いました。
見よう見まねで初挑戦したダーニング。私には
セーターの虫食い穴も、白いシャツのケチャップのシミも、素敵に、おしゃれに生まれ変わらせる術
のようでした。
ぜひ身につけたい術です。
調べてみたらいろんな動画もアップされていました。
知らなかったのは私だけだったんですね💦
余計なことは忘れて、針と糸でチクチク。
私にとっては静かにできるストレス解消。
この秋はダーニングにハマりそうです。