12月28日、「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」(主催:白泉社/協力:朝日新聞東京本社メディアビジネス局)が発表されました。
MOE絵本屋さん大賞って?
『月刊MOE』という絵本や絵本のキャラクターのことがよくわかる雑誌があってね。白泉社という出版社からでているんだけど。
で、その雑誌『月刊MOE』が、全国の絵本専門店や書店の児童書売り場の担当者3000人に毎年アンケートを実施して、その年に最も支持された絵本を決めるんだ。
絵本のことをよく知っている本屋さんに選ばれたおすすめの絵本がわかるんだね。
そうだね。今年で13回目だそうだよ。
どんな本が選ばれたか気になるね!
じゃあ、結果を見てみよう!
全国の絵本屋さんが選んだおすすめ絵本ってどんな本?~「第13回MOE絵本屋さん大賞2020」より
結果発表、まずは10位からね。
第10位
『もしものせかい』
ヨシタケシンスケ/作
赤ちゃんとママ社
ヨシタケシンスケさんって、「あるかしら書店」の作者でしょ。小学生が好きな本でも2位に選ばれてたよね。
そうそう、ヨシタケワールドは大人気だね。
この本は、
私たちがいるいつもの世界と
私たちが行けないもしもの世界
について書かれた絵本です。
小さい人にはわかりにくい内容もありますが、逆に大きくなった人には共感できるツボが散りばめられています。
とても大切にしていたものが、ある日、突然もしもの世界に行ってしまったら
ボクはどうなるの?どうすればいいの?
深いテーマを独特のとらえ方、感じ方でストレートに表現されています。
子どもに読みながら泣いてしまった人もいたみたいだね。
きっと、大切なものを失くしたことがあって、読んでいるうちにいろんな気持ちがあふれてきちゃったんじゃないかな。
心を揺さぶられる絵本の力ってすごいな
第9位
『やねうらべやのおばけ』
しおたにまみこ/作
偕成社
なんだか暗くて気味が悪そうな表紙なんだけど…
と思うでしょ!それが全然ちがうの。とってもかわいいおばけと小さな女の子のお話なの。おばけが透明になったり白くなったり、大きくなったり小さくなったり。透明になると、ツルンとしたゼリーみたいでかわいいよ。
あの手この手でおどかして、女の子をこわがらそうとするおばけが、愛嬌たっぷりに描かれています。そして、お話の最後はとても素敵なはじまりのシーンです。
第8位
『わたしのわごむはわたさない』
ヨシタケシンスケ/作・絵
PHP研究所
兄弟がいる人、特にお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる人にはこの気持ち、わかるんじゃないかな。
お兄ちゃんのおさがりじゃなくて、私だけのものがほしい!
下の子ってそういう気持ちを抱えているんですね。
私だけのものがあるって、こんなにうれしいもんなんだな~って教えられました。
第7位
『ねぐせのしくみ』
ヨシタケシンスケ/作
ブロンズ新社
夜寝るときはちゃんとしてたのに、朝起きてみたら壮大なねぐせがついている女の子。
夜、寝ている間にいったい何が起こった?
ああっ!窓の外から怪しい人かけが!!
眠っている間のことだから、誰にもホントのことはわかないよね!
アタシの寝ぐせもこうやってできてるのかも、なんて考えると眠れなくなっちゃうかも!
第6位
『ママはかいぞく』
カリーヌ・シュリュグ/文
レミ・サイヤール/絵
やまもとともこ/訳
光文社
この絵本には、表のストーリーとかくれた裏のストーリーがあります。
表側は、男の子のママがある日海賊になって航海に出る、というお話。
その裏側は、ガンという病気と闘うママが、小さい子に自分の闘病を伝えるために語っているという真実。
入院中のママは、船で航海に出ているからうちには帰ってこない。
手術後の胸の傷は、海賊が戦いで勝ったあかし、ママは強いんだ。
顔色が悪いのは、長い航海で疲れてしまったから、海賊にはよくあること。
バンダナを巻いているのは、海賊のファッション、カッコイイでしょ。
なんてすばらしい思いつきなんでしょう!
彼女の想像力に脱帽です。
彼女が無事に航海から戻って、明るい笑顏で男の子の前に現れた時、心からおめでとうと言いたい気持ちになりました。
第5位
『ノラネコぐんだん カレーライス』
工藤ノリコ/作
白泉社
あ、前にノラネコぐんだんがワンワンちゃんのまねしてパンを作るお話、読んだよ!
ずいぶん前ね。あれは、『ノラネコぐんだんパンこうじょう』というお話だったね。ノラネコぐんだんのおはなしはほかにもたくさんあるんだよ。
今回はワンワンちゃんが作るカレーがおいしそうなので、ノラネコぐんだんもカレーを作りますよ。おいしいカレーができたけど、そのカレーを狙って、おそろしい動物が現れるのです。
どうする、ノラネコ軍団!?
第4位
『ねこはるすばん』
町田尚子/作
ほるぷ出版
あ、このネコどこかで見たことがあるような…
近所で見かけるネコに似ているね。
このネコ、窓の外を見てるんだね
うん、飼い主さんが出かけて行っちゃったかなー、って確かめてるんだよ。
確かめるって、なんで?
じつはね、人がいないときのネコって…、
ふふふっ、あ~ダメダメ、この先はい・え・ま・せ・ん
じゃあ、読んでみる!
なになに…
ええ~っ?!まさか!!
そんなことが起こるなんて!?
でしょ!
なるほど、これは言えないね
わたし、それほどネコが好きなわけではないんですよ。でもこの絵本のネコはだーい好きです!
第3位
『の』
junaida/作
福音館書店
かわいい女の子だね!つばの上に町があるみたいでふしぎな帽子だ
そう、この絵本、タイトルの場所からして、あれ?って思わない?
女の子の口の先に「の」ってかいてあるけど、これがタイトル?
そう、この絵本の文章は、終わりがなくて、の、でつながってるんだよ。たとえば、「わたしの お気に入りのコートの ポケットの中のお城の いちばん上のながめのよい部屋の…」という具合。そしてどんどん空想の世界が広がっていくの。どこまでいくの~って思うくらいにね
の、でつながってるのか。じゃあ、おしまいがないじゃない!?
おしまいは、あるといえばあるしないといえばない。
どっちだよ!
よんでみればわかるから!
第2位
『パンどろぼう』
柴田ケイコ/作
KADOKAWA
これ、知ってるよ!パンが大好きなパンどろぼうが出てくるんだよね
そうそう、顔が食パンなんだけど手も足もあるし、パンが大好きって、なんかおかしいな、って思ったら実は…なんだよねー
それをいっちゃ~おしまいよ!
!
パンがパンを食べるなんて、おもしろいことよく思いついたよね~。
パンどろぼうを見つけたあとの、パン屋さんのおじさんがやさしいんだよね。
「お話会の読み聞かせで小さい人に大人気なのよ」と友人談です。
第1位
『あつかったら ぬげばいい』
ヨシタケシンスケ/作
白泉社
3000人の絵本屋さんに選ばれたおすすめの本、第1位に選ばれたのはヨシタケシンスケさんの『あつかったらぬげばいい』です。
この作品も大人向けの絵本。
いろいろなストレスを抱えている自分へのメッセージがいっぱい詰まっているように感じました。
こんなことや
こんなことも。
遠い昔はこんなこともあったっけ
そんなふうに、大きくなった人が抱える悩みを
こうすればいい!
と言い切られてしまうと、
そうか、それでいいんだ!
と納得したり
いや、そうなんだよな~、わかってるんだけど…
煮え切らなかったり。
それでも、
〇〇すればいい!
って背中をポンとおしてもらえると、なんだかうまくいくような気がする!
それがヨシタケワールドの魅力かなと思います。
紹介した本の画像は全てAmazonからお借りしました。
2020年もあとわずかとなりました。(何とか間に合いそうでよかったです)
不定期な雑記ブログですが、気がつけば150記事を越えていました。こんなに続けてこられたのは読者の皆様のおかげです。お読みいただき、ありがとうございました!!そしてたくさんのスター、コメントをありがとうございました。これからも書き続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それではみなさま、どうぞよいお年をお迎えください!