お題「#おうち時間」で書いています。
大人のみなさま、ぬり絵はお好きですか?
大人のぬり絵がブームになるきっかけを作ったといわれる『ひみつの花園 花いっぱいのぬりえブック(原題 Secret Garden)』(ジョハンナ・バスフォード作)、この本がイギリスで出版されたのは2013年のことです。
その後、この本はなんと世界の50もの国で出版され、世界中で2千を超えるさまざまな大人向けのぬり絵が出版されるようになります。
ビックリ!
そういえば確か数年前、近所の本屋さんにも《大人のぬり絵コーナー》ができていました。
そのうちに、100円ショップにも似たようなぬり絵本が並ぶようになりました。
でも、当時の私ときたら
ぬり絵なんてやってる暇なんかないわ!
あんな細かいところに、いちいち色変えてぬるの面倒だし、ムリムリ。
なんてバッサリ!
切り捨てていました。
ところが、です。
最近出会ったある絵本をきっかけに、事態は急変することになりました。
きっかけの絵本を紹介
これがその絵本です。
タイトルは…
女の子の口の先から出てますね。
の
junaida
福音館書店
「の」という絵本です。
いったいどんな本?
ひとことで言うと、
頭の中からあふれ出すたくさんの景色を、「の」という音でつなげてみた
そんな絵本です。
表紙の女の子ですが、彼女はお気に入りの赤いコートを着ています。
コートにはポケットがあって、ポケットの中にお城があるんですって!
そこから不思議な絵の世界が始まります。
の
junaida
わたしの
お気に入りのコートの
ポケットの中のお城の
いちばん上のながめのよい部屋の
王さまのキングサイズのベッドの
シルクのふとんの海の船乗りたちの
ふるさとの島の灯台のてっぺんのサーカス小屋の
……(後略)
「の」より引用
「ことば遊び」のような言葉の連なり、ページをめくるたびにガラッと変わる場面。
コートのポケットを広げてお城を見せる少女、次はお城、その次は海のように波うつ王様の大きなベッド、大海原を進む帆船、サーカス小屋、ピエロ…
それぞれの絵にどんなつながりがあるかといえば
すべて空想の世界ということくらいです。
無理クリつなげてる?
いや、実際にこの絵を見ると、
なるほど! そうやってつながっていくのね~
って、突拍子もない展開なのに妙に納得してしまうから不思議。
ラストにたどりつくと、
あれ? ちょっとまって!
最初からまた読みたくなるから。
面白い絵本です。
作者 junaidaさんの紹介はこちら
junaida(ジュナイダ)
画家。
1978年生まれ。京都在住。
Hedgehog Books and Gallery代表。
ボローニャ国際絵本原画展2015入選。
第53回造本装幀コンクール・日本書籍出版協会理事長賞(児童書・絵本部門)を『Michi』が受賞。
お気に入りの絵なら、色をつけてみたくなる
絵を描くのは苦手、センスもない、でも絵本は好きな私。
この絵がまたしても無料配布されているのを見つけてしまいました。
速攻でダウンロード!プリントアウト!
そう!これこれ!表紙の女の子だ~!
そしてついに
ぬり絵デビューしました。
帽子のつばの下に魚いた!
こんなとこには稲妻ピカッ!
揺れるチャームに天使も!
細かい場所ほど塗るのが楽しい、ちょっと意外な発見でした。
よくよく見ると、完成した表紙の絵にはあって、こちらにないモチーフも発見。
へー、完成品はこんなふうに変えたんだな~、なんて、裏情報?もわかって、楽しさ倍増。
娘が 小学校の頃に使ってたチビた色鉛筆を削り直し、
オリジナリティはゼロで自由に塗れないから、原画とにらめっこ。
そしてスキマ時間に少しずつ色をぬる。
仕上がるまでに3日ほどかかりました。
自分が描いた線じゃないし、自分の選んだ色でもないんですが、徐々にできあがっていく感じが妙にうれしかったです。
やり始めると、余計なことはいっさい考えなくなって塗ることだけに集中!
なので、ストレス解消にもなりました。
ぬり絵なんて面倒だな〜
と思っている人も、好きな絵を見つけて塗ってみてはいかが?
案外楽しめるかもしれませんよ。
junaidaさんの絵は3種類、こちらからダウンロードできます。
ジョハンナ・バスフォードよりメッセージ付きミニブック
さて、最初に紹介した『ひみつの花園』の作者、ジョハンナ・バスフォードさんのホームページには、現在12ページ分の絵が無料でダウンロードできるようになっています。花や鳥、自然の風景や海中散歩の景色など様々なパターンが収録されています。
HP画面の下の方にある
Download the Book
という場所をクリックすればできますよ。
そして、そのミニブックには、こんなメッセージがついています。
ミニインキーの冒険へようこそ。
世界は変わってしまいましたが、変わらないこともあります。花が咲き、蜂がブンブン飛び回り、私たちはいっそう心の健康に気を配る必要があります。
家にいても、子育てをしていても、最前線で働いていても、混沌とした状況の中で少しでも心を落ち着かせることが必要ですよね? そこでぬり絵です。今、私たちはこれまで以上に精神面をケアする必要があるのです。
創造性にはおどろくほど気持ちを前向きにする力があります。疲れた脳を一旦停止させ、リセットすることができます。ぬり絵には、特別な道具も、美術の学位も、完璧なスタジオもいりません。本と数本の鉛筆を持って、あなたのマークを作るだけです。
このミニインキーブックは、私のぬりえ本のコレクションの中で最も愛されているページからインスピレーションを得ています。ページの中には、迷い込んでしまいそうな複雑な模様もあれば、色とりどりの花の花輪、水中の探検、ほんの数分で完成する小さなモチーフなどもあります。
ですから、ぜひ鉛筆を手に取って、セルフケアの練習をしてみてください。一緒にこの嵐を乗り切りましょう。愛を込めて。
ジョハンナ・バスフォード
穏やかな気持ちになるためのぬりえの5つのヒント:
1.ペンの代わりに鉛筆を試してみてください、インクのにじみを減らします。
2. 鉛筆を動かす向きを、同じにします。
3. 日中の明るい光で色を塗るのが一番です。
4. スマートフォンを片付けましょう。
5. 線をはみ出しても心配しないでください。
ジョハンナ・バスフォードさんのHPはこちらからどうぞ
Flourish - The FREE Colouring Book - Johanna Basford Johanna Basford
最後に一つ、ご注意を。
最初から長い時間だと逆に疲れてしまうので、時間を決めてやるといいです。私は15~30分くらいがベストでした。腹八分目、もうちょっとやりたいな~、位で切り上げるのが楽ししめるコツかな、と。
おうち時間の過ごし方のひとつとして、大人のぬり絵のご紹介でした。