表参道のピンポイントギャラリーに「鎌倉の2人展」に行ってきました。
2人展の2人とは長野ヒデ子さんとささめやゆきさんです。
お二人ともたくさんの絵本を出されているので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
鎌倉の2人展
鎌倉の2人展では、
長野ヒデ子作「せとうちたいこさん ふじさんのぼりタイ」
あまんきみこ作 ささめやゆき絵 「あるひ あるとき」
この2冊の絵本の原画と、長野さんとささめやさんのお二人がこの原画展のためにやり取りされた手紙(全部で50通くらいはあったでしょうか)が展示されていました。
鎌倉の2人展 長野ヒデ子、ささめやゆき | Pinpoint Gallery
絵本について
「せとうちたいこさん ふじさんのぼりタイ」は好奇心旺盛なタイのたいこさんがいろんなところに出かけるとっても楽しいお話。
尾っぽの先にヒールをはいて、赤いリボンの麦わら帽子をかぶり、陸の上をどこでも闊歩するたいこさん、シリーズは1作目からかぞえて25年目だそうです。
たいこさんは今回は子どもたちを引き連れて富士山に登ります。
表情豊かな富士山、ご来光の空、たいこさんとこどもたちの銭湯で疲れを取る場面、などなど、とっても楽しい絵がたくさんありました。
「あるひ あるとき」は あまんきみこさん作、ささめやゆきさんの絵による絵本。
第二次世界大戦中、満州・大連で過ごされたあまんきみこさんの体験をもとに作られたお話。
表紙に描かれているのは大連の少女と彼女がとっても大切にしているこけしです。
ふと思い出したように語られる戦時中の少女時代の体験、でもそれは思い出すたびに切なくなる忘れられないできごとで、二度と繰り返してほしくないという祈りが込められているように思いました。
切なく哀しいお話ですが、やさしく温かい絵でした。
ギャラリーの2階と3階が展示ルームになっていて、原画は3階にありました。
それぞれの絵は額に入っていて、向かい合った壁に絵本のページの順で展示されていました。
階段を登って右手の壁には、こけしと少女の物語、
反対側(左手)には、鯛のお母さんがちびっこたちを引き連れて富士山に登るお話。
「あるひあるとき」で切なくしんみりとした気持ちになる、でも向かいの「たいこさん」をみるとおかしくて、明るい気持ちになれる、そんな展開でした。
さらに、正面の壁にはおふたりのイラスト満載の楽しい手紙が展示されていました。
素敵な手紙のやりとり
ところで、原画のモチーフはかなり違っていましたが、作家のお二人は現在、鎌倉にお住まいで、ご近所さんなのだそうです。
おふたりが仲の良い様子は、そうした手紙の内容から伝わってきました。
仲良し二人の交換日記みたいでした。
手書きの文字も、ところどころにサラサラっと描かれたイラストも、ユニークで味があってとても可愛かったです。
こうした手紙のやり取りっていいよなあ、と改めて手紙の良さを実感しました。
今回訪れたピンポイントギャラリーは以前、川端誠さんの原画展でもお邪魔しました。
表参道から少し入った静かな場所にある素敵なギャラリーです。
作家さんが在廊されている日もあり、今回私も長野さんご本人にもお会いすることができてラッキーでした。
☆Pinpoint Gallery
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-49-5 Rハウス
TEL 03-3409-8268
MAIL: art@pinpointgallery.com
営業時間:12:00-19:00
土曜日は17:00まで