HANAのおと

50代主婦hanaの雑記帳。おもしろい、役に立つ、覚えておきたいことをあれこれと書いています

もう一度読みたい絵本『星のひとみ』~クリスマス前夜のできごと

星のひとみ 表紙

 

クリスマス前夜のことでした。

山のあいだのふかい雪のなかに、小さなあかんぼが、ただひとり、よこたわっていました。いったい、そのこは、どうして雪のなかなどに、いたのでしょう? 

(星のひとみ トペリウス作 万沢まき訳 岩波少年少女文庫より)

 

 

 

私の記憶に残っている中で、いちばん最初に見た絵本って何だろう?

ふとそんなことを考えました。

記憶の糸も年々長くなり、手繰り寄せるのが大変になってきました。

が、あれでもないこれでもないとたどりついた1冊の本、それが偶然にもクリスマス前夜のお話でした。

その本のタイトルは

『星のひとみ』

です。

思い出したら無性にその絵本を見てみたくなりました。

冒頭の引用は、その物語の書き出しの部分です。

 

自分で字が読める頃だから、小学校低学年の頃だったかと思います。

私がほしいといったのか、誰かにもらったのかはわかりません。

ただ、表紙の絵が今でもはっきり頭に浮かんでくるんです。

それは、おくるみにくるまれた赤ん坊の絵。

赤ん坊は赤いおくるみから白い顔だけが見えていて、大きな茶色い目が印象的でした。喜んでいるのでもなく悲しんでいるのでもない、何を思っているのかわからない。けれど、とてもきれいな澄んだ目はじっとこちらを見ている、そんな気がするのです。

 

 

 

『星のひとみ』は北欧が舞台の童話です。

 

冬の夜の、ひろい、さびしい、山の雪のなかに、いま、子どもは、たったひとりでよこたわっています。夜の空にかがやいている、かぞえきれないほどたくさんの、遠い、美しい星々は、雪の上にたったひとりでよこたわっている、この子をかわいそうにおもったのでしょう。星が子どもをながめ、子どもが星をながめているうちに、星の光が、子どものひとみのなかにやどりました。(星のひとみ トペリウス作 万沢まき訳 岩波少年少女文庫より)

 

寒空の下で、しかも夜に、赤ん坊が一人ぼっちなんて!!。

こども心に、なんてかわいそうな子なんだ、って思いました。

赤ん坊をのせたそりはトナカイのそりで、そのトナカイを狙って狼たちがおそってきたのです。オオカミから逃げる途中、そりから投げ出されてしまったんですね。

放り出された赤ん坊はオオカミの群れに囲まれますが、不思議と襲われることはありませんでした。

その後、赤ん坊は運よく旅の夫妻に拾われ夫妻の子どもとして育てられるのです。

赤ん坊の目が星のように澄んでいることから「星のひとみ」とよばれるようになりました。

すると不思議なことに、それまで何一つうまくいかなかった夫妻の暮らしがよくなりました。家畜がオオカミに襲われることもなくなり、病気もしなくなり、畑の作物がダメになることもなくなったのです。

ところが、星のひとみには普通の人が見えないことが見えてしまう、そんな不思議な力をもっていることがわかります。その力を恐れたおかみさんと隣人は、旦那さんが留守の間に星のひとみを追い出してしまいした。

星のひとみは3年前、雪の夜に放り出されたときと同じように、クリスマスの前夜におくるみにくるまれ雪の原に置き去りにされてしまうのです。

 

雪の上に横たわっていた星のひとみは、星の光を受けてますます不思議な力を持つようになっていきました。

空に光っている、何千という、美しい、清らかな星々は、また、このむじゃきな子どもをあわれみながら、見おろしていました。星は、子どものひとみのなかにかがやき、その心のなかをのぞきこみました。けれども、そこには、神さまをあがめるきれいな心のほかには、なにもありませんでした。そして、その星の光をうけると、子どものひとみは、ますますふしぎな光をもつようになって、星のむこうの、ふつうの人の目には見えない神さまのみもとまで、見えるようになりました。(中略その夜はあかるく、しずかで、声のないいのりにみたされていました。オーロラだけが、空に火花のように燃え、山の上の、星のひとみのまくらもとに、美しいにじをかけて、神さまをほめたたえていました。(星のひとみ トペリウス作 万沢まき訳 岩波少年少女文庫より)

 

クリスマスの朝、旦那さんが戻ってきて星のひとみをさがしに行きましたが、どこにも姿はありませんでした。

 

そのあと、夫婦のうちでは飼っていた羊が全部オオカミに襲われてしまいます。

夫婦は神さまに自らの罪の許しを乞いに教会へ行くところで物語は終わります。

 

結局、星のひとみは誰かに拾われたのか、それとも天に召されたのか、わかりません。

ただ、私がこの物語から最も感じていたのは静かな透き通るようなイメージ。

そして寂しさ、です。

それが40年以上たった今でも残っているなんて不思議ですね。

 

『星のひとみ』は、サカリアス・トペリウスというフィンランドの作家によって書かれたもので、日本では、岩波書店からは1953年に初版が出ています。今から70年近く前ですね。

この岩波少年少女文庫を読み直してみると、神さまという表現が何度も出てきて、宗教色が強い物語だったことがわかりました。

でも私の記憶にあるのは絵本ですし、もう少し簡単な文章でした。

神さまについて書かれたところもあったのかなぁ?

というくらい覚えていないんです。

 

じつは、せなけいこさん(おばけ絵本で人気の方ですね)がこの『星のひとみ』の絵本も出されているんですが、私が見た絵本とは残念ながら違っています。

星のひとみ (角川書店単行本)

切り絵ではなく絵だったのでね。

 

どこかにあの本ないかなぁ、もう一度見てみたいなぁ

 

クリスマスイブの夜、ふとそんなことを考えました。

 

サンタクロースの額

メリー・クリスマス🎄

 

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