私は絵本の原画展が大好きです。
いつもわくわくします。
1週間ほど前になりますが、川端誠さんの「木の精・モク」展に行きました。
木の精・モクというのは川端誠さんの絵本『森の木』に出てく木の精の名前。
『森の木』は20年以上前に作られた絵本で、私の大好きな作品です。
この絵本の絵は、絵というより造形作品というのでしょうか。
美術に詳しくないのでなんといえばよいのかわかりませんが、人物や森の木、動物たちが浮き上がっているように、貼り付けたように、立体的に盛り上がって見えるのです。
油絵のようでもあり、粘土で作ったようにも、また木を彫ったようにも見えるので
いったい何で描かれているのだろう?
と、ずっと気になっていました。
絵本『森の木』の原画、「木の精・モク」展
個展投稿其の①#川端誠 #ピンポイントギャラリー
— たつのすけ絵本 (@tatsu_kawabata) October 26, 2020
での『木の精・モク』展開催中
です!久しぶりの表参道、原宿
近辺ドキドキ、ワクワクで
ございます(*/∀\*)
作品は撮影🆗👌とふとっぱら
最初は非売品のオブジェ投稿
しておきます( v^-゜)♪
『#森の木』原画久しぶりに
見ましたが超ヤバイ(笑)後程 pic.twitter.com/fKZ0M9nQEm
(川端誠さんの息子さんのツイートより)
会場(ピンポイントギャラリー・表参道)についたのはもう18時を過ぎていたので、時間はギリギリセーフ、間に合ってよかったです。
2階と3階が作品展示フロアになっていて、絵本の原画は3階にありました。
絵本を読み進むように、ページの順を追って見ていけるようになっています。
本で見ていたそのまんまの絵!!
見開きページごとに額に入っていました。
原画がいったい何でできていたか、わかりました。
紙粘土です。
それも新聞紙を煮て作った自家製の紙粘土なのだそうです。
できあがるまでに1年かかったと聞いて驚いていたのですが、原画を見て納得しました。
豊かな森の営みの一つずつを紙粘土で作り、貼りつけて一つの場面ができているのですから、気の遠くなるような作業に思えました。
たとえば、左右見開きのページ一面に描かれた森。
ここにはたくさんの木が茂っています(多分50本以上)。
それらの木々の間から見えるのはキツネやリス、ふくろうやキツツキ、魚もいればヘビやトンボも。彼らは背中に子どもをおぶっていたり口にカエルをくわえていたり。
そうした豊かな森のそばに暮らす人々の表情も一人ずつ微妙に違っていますが、みんな明るくおだやかです。
そして物語が進むにつれて、その森が表情を変えていくのです。
喜怒哀楽の表情がゆたかな村人や生き物、
森の木に住みついた不気味な魔物、
稲妻に真っ二つに切り裂かれた大木、
雷鳴がとどろき大雨が降り波のような水しぶきを上げる大地
読み聞かせをしていると、今にも動き出しそうな生き生きとした絵に子どもたちはクギ付けでした。
こんなところにヘビがいる!
魚もいる!
キツネだ!
リスだ!
サルもいる!
うえ~、まもの~、へんなかお~!
何度読んでも同じことを言いますね。
全部知っているのに、同じことを言いますね。
原画を見てからまた絵本を読み直すと、今までよりも絵の迫力を感じます。
印刷されたものにはない迫力が本物にはあります。
本物を目の前にして、それを作る過程を想像すると、絵に注がれたエネルギーが伝わってくるんです。
本物が持っている力に魅了されてしまうんですね、きっと。
7日に個展が終了。正面が百号の「樹齢百年」です。左に『森の木』の原画全点。右にオリジナルの絵。個展に来ていただいた皆さんありがとうございました。一番嬉しかったのは、展示を見て楽しい気分になりましたと言っていただいたことです。ピンポイントギャラリーの素敵な壁面を飾れてよかったなあ。 pic.twitter.com/vlDH3vTjQ0
— 川端誠official (@makoto_obake) November 8, 2020
川端誠さんのツイートを貼らせていただきました。
ツイートにもありますが、正面の大作と、右側のモクの絵は色鉛筆(1本330円するんだそうです) で、左側の原画は紙粘土で描かれています。
モクに囲まれて
いつまでもずっとここにいたいと思える場所、
安らかな気持ちになれるとても居心地の良い空間でした。
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MAIL: art@pinpointgallery.com
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展覧会初日のみ14:00から
定休日 : 日曜日