高校になってもPTAの役員をやらなきゃいけないの?
なんてうんざりしていらっしゃる方はいらっしゃいませんか?
実は、私もその一人です。
子どもが初めて高校生になったとき、入学関係の書類にPTAのお知らせが入っているのを見て、またか!と思ってしまいました。
ところが
現在、私は次女の高校でPTA役員をしています。
大学生の長女が高校生のときも、2年間役員でした。
あわせると3年です。
最初はやりたくなかった役員なんですが、やってみると小、中学校の役員とはかなり違っていることに気がつきました。
この記事では、学校によって違う点などもまじえながら、高校のPTA役員の活動についてお伝えしたいと思います。
高校のPTA役員について
私立中高一貫校の場合
次女の高校は私立の中高一貫校です。
PTAは、本部役員、常任理事、クラス委員(下図参照)からなっています。
入学後、最初の保護者会で決める役員のはクラス委員だけでした。
クラス委員になると、役員会でどこかの委員会(広報、文化活動、バザー、制服リサイクル、役員選考)に所属するかを決めます。決め方は希望順でした。
それぞれの委員会の委員長や副委員長は、すでに決まっていました。
- (本部)役員
会長、副会長、会計、書記、監査、広報長
広報委員長、バザー委員長、文化活動委員長、制服リサイクル委員長、役員選考委員長 - 常任理事
広報副委員長、バザー副委員長、文化活動副委員長、制服リサイクル副委員長、役員選考副委員長 - クラス委員
広報委員、バザー委員、文化活動委員、制服リサイクル委員、役員選考委員
公立高校の場合
長女は公立高校でした。
公立高校の場合は、最初の保護者会でクラス委員を決めました。
入学後役員会で所属する委員会を決めました。
そして、委員長、副委員長もその役員会で決めました。
決め方は、立候補を優先、それがなければくじ引きかジャンケンでした。
- 本部役員
- 学年委員会(委員長は委員会で選出)
- 文化委員会(委員長は委員会で選出)
- 広報委員会(委員長は委員会で選出)
文化委員の中で制服リサイクル(バザー)や講習会、バスツアーなどの担当に分かれて活動されていました。
役員の選び方(私立の場合)
クラス委員
新学期、初めの保護者会で決められます。
基本的には、希望者(立候補者)優先です。
希望者の手が上がらないときは、くじ引き、またはじゃんけんです。
それぞれのクラスから役員として2名選出でした。
活動内容に応じた委員分けは、役員会で決定します。
任期は1年で、学年が変わるごとに役員決めがあります。
常任理事
常任理事は、各学年のクラス委員の中から選ばれた2名で、各委員会の副委員長も兼ねています。
常任理事は、前年の役員の中から推薦できまります。
これは一貫校ならではなのかもしれません。また、それぞれの学校によっても異なります。
中高一貫校に高校から入ったは場合、1年生から常任理事になることはありません。
役員
役員は各委員会の委員長を兼ねています。役員選考委員によって選ばれます。
こちらも、前年度の役員の中から推薦で選ばれ、決定するので、入学時には既に決まっています。
役員の選び方(公立高校の場合)
1、役員に立候補したい
2、役員をやる人がいなければ引き受けても構わない(委員名も任意で記入)
3、役員はできない
という3択から◯をつけて提出しました。
任意で小中学校のときに経験のある役員名の記入欄もありました。
役員の種類は
学年委員
文化委員
広報委員
それぞれ1名、計3名です。
最初に立候補者を募り、立候補者がない場合、入学前のアンケートをもとに選任委員から「◯◯さん、いかがですか、やっていただけませんか?」と声をかけられます。
こればかりはクラスの顔ぶれによるところが大きいですが、我が子の場合は35名程度のクラスで、やってもいい、という方が必ず数人はいましたので、役員選びはスムーズでした。
高校のPTA役員の仕事内容について
それぞれの仕事内容については下記のとおりです。
広報委員会
広報誌を作る。発行は各学期ごと、年に3回。
先生の紹介、行事紹介、などが主な内容で、原稿を作成、写真撮影、レイアウトして印刷。印刷は業者に委託。
1年を通して学校行事があれば写真撮影に行くため、生徒や先生との接点が多い。
バザー委員会
文化祭では、PTAバザーを出店します。その品物の提供を保護者に呼びかけ、回収、当日までに商品管理、値段つけ、会場準備、当日の販売などを行う。
主な活動時期は、1学期の後半から文化祭まで。
文化活動委員会
PTA主催でバスツアーを企画したり、著名人の講演会、セミナー開催など、保護者を対象とした文化活動を企画実施する。
主な活動時期は、講習会の前後数ヶ月。
制服リサイクル委員会
名前の通り、サイズが合わなくなって着られなくなった制服の提供を募り、リサイクル品として販売する「制服リサイクル販売日」に向けての準備、当日の運営をする。
主な活動時期は、2学期(制服リサイクル販売が2学期の末にあるので)。
役員選考委員会
次年度の本部役員を選出する。
主な活動時期は2学期後半から年度末。
卒業対策委員
上の図には入っていませんが、高校3年生のクラス委員が兼ねる。卒業時の記念品選びや謝恩会の準備、進行を担当。
その他
- 保護者会の準備
教室でのお茶とお菓子の準備、後片付けなど。 - クラスの親睦会
次女の高校では、クラスの親睦会は任意です。
学年の中でも、親睦会を行うクラスもあればやらないクラスもあります。
メンバー次第といったところでしょうか。
現在、娘のクラスでは親睦会を開いてほしいという声が上がっているので、計画中です。
長女(公立高校)の高校では、クラス委員の仕事の一つにクラスの親睦会がありました。日程と場所を決めて、かんたんな司会進行はクラス委員に任されていました。参加者はクラスの2/3くらい。
役員の集まりは月に1度だけ、交通費とお茶つき
役員会が月に1度、土曜日にあります。
土曜日も午前中は授業があるので、会議は午後から。
毎回、交通費と、お茶(ペットボトル)が支給されます。
役員会の内容は、会長から月間報告(支部会議の様子など)、各委員長から活動報告、校長からちょっとためになるお話、学年ごとの連絡事項など
所要時間は1時間から1時間半といったところ。
その後、委員会ごとに打ち合わせがあります。
何もなければ、即帰宅できます。
各委員会の打ち合わせとは?
各委員会ごとの打ち合わせとは、年間スケジュールをもとに決められた委員会活動の打ち合わせです。
役員全員が参加する役員会の後、準備が必要な委員会だけが打ち合わせを行います。
例として、バザー委員会の場合、12月に行われるバザーのために、6月にお知らせの配布後、出品物の回収が10月ごろから始まります。そのため、バザー委員会の役員は9月の役員会の時に、10月からのバザー出品物の回収からバザー当日までの具体的な仕事の分担や担当者の調整などの打ち合わせが必要となるのです。
ここで、本部役員にわからないことや教えてほしいことなどを気軽に尋ねることができます。この打ち合わせは、各自の仕事に不安がないように確認するためのものなのです。
役員の任期は1年だが、複数年やる人が多い
私も長女のときには2年務めましたが、次女の学校では役員のほぼ1/3は経験者です。中高いっしょなので、経験者の割合が高くなるのかもしれません。
小中では敬遠されがちな役員が、高校ではそこまで嫌われてはいません。
中には、「うちのクラスは立候補者が多くて競争率が高かったけど、勝ち取ってきました!」と意気揚々と挨拶されている方もいるほどです。
高校の役員になって気づいたこと
私が感じた高校の役員さんの特徴をあげておきます。
- 引き受けたからには、楽しみながらやりたい、という意識が高い。
- 小中学校のときと比べると、物事の取り決めが早い。
- できることはできる、できないことはできない(任せる)、の判断が早い。
- 何かを決めるとき、サッと決まるので、会議の進行が早い(会議が終わるのが早い)。
- 小中での経験や、実際の仕事を持っているといった経験から、段取りがうまくなっている。
- それぞれの得意分野を発揮している(専門的な知識を持っていたり、その方面に長けた人が、進んで手を挙げてくれる)
- 年齢や子どもの学年を越えたチームワークができている 。
- はじめは乗り気じゃなかった人が、またやってもいいかな、という気持ちになっている。
私が役員になったわけ
長女は活発な明るい子で、中学ではバスケ部の副部長で、土日も練習や試合に明け暮れ、本格的な受験勉強に取り組んだのは、中3の夏休みからでした。
それでも念願の第1志望に合格し、意気揚々と通っていました。
そして、高校1年生の秋、ちょうど今頃だったと思います。
学校から連絡が入りました。
A子さん(娘)が学校に来ていませんが、どうかしましたか?
担任の先生からでした。
全く予期せぬことで驚きました。
それからの私は、何度も学校に顔を出し、担任の先生と話をしたり、カウンセリングを受けたり。
結局、娘はなんとか進級できました。
彼女が2年生になったとき、
私がもっと学校のことを知っておこう、
学校を身近に感じていよう、
そう思ったのが役員になったきっかけです。
それまでは、高校生になったら親の出番はなくなったと思っていました。
その時、私は広報委員になりました。
合唱コンクール、体育祭、文化祭など行事のたびに撮影にでかけ、特等席で撮影しながら子どもたちの様子をしっかり見ることができたのが何よりの収穫でした。
役員になったおかげで、娘との話題が増えました。
先生の顔と名前がわかるだけで、話が盛り上がりました。
同じ役員仲間のお母さんに、娘のことで励ましてもらえたり、娘の友だちが私に連絡をしてきてくれたこともありがたかったです。
娘は何も言いませんでしたが、私が自分の学校に関わりを持っていることが嫌ではなかったみたいです。(クラス写真を撮るときに、自分がクラスの子たちに声をかけて協力してくれたりすることもありました。)
2、3年生が持ち上がりで同じクラスだったので、本来なら別の人がやるはずの役員も、結局同じメンバーで引き受けました。
おかげで、娘と一緒にもう一度、自分も高校生活を楽しめた2年間でした。
(現在も楽しんでいます)
長女がつらい時期は相当しんどい思いもしましたが、それがなければ役員になることもなかったし、
あの高校で本当に良かったね、
と言い合えるほど、あの学校が大好きになっていたかどうかわかりません。
それほど大切な経験となりました。
こんなに楽しいのなら、上の子のときにもやればよかったな、というのが本音です。
もし、お子さんが高校に入って、なにか不安を抱えているなら、ぜひ役員になることをおすすめします。
高校の役員になって高校生活を楽しむことで、子どもにも伝わるものがあります。
この高校に入ってよかったね、あのときこんな事があって楽しかったね、と卒業後に懐かしむことができる、そんな高校生活を親子で過ごしましょう!