10月30日(日)、東京は秋晴れでした。
ぽかぽか陽気で風も弱く、お散歩日和。
そこで、上野公園の不忍池あたりをフラッと歩いてきました。
思いもかけない出会いがあって、びっくり仰天!
とっても楽しいお散歩になりました。
不忍池は東京の琵琶湖!?
上野駅の不忍口を出て徒歩約7分。
上野公園の不忍池(しのばずのいけ)は周囲約2キロの池です。
夏になると池の蓮が花を咲かせ、その美しさから蓮の花の名所として知られています。
ところで、この不忍池、私の地元、滋賀の琵琶湖と共通点がありました。
みなさんは不忍池が琵琶湖とご縁があることをご存知でしょうか?
そうなんです。
不忍池には小島があって弁天堂が建てられています。
そこに琵琶湖との関係があったんです。
天然にあった不忍池ですが、その池を琵琶湖に見立てて弁天堂が作られたのだそうです。
不忍池に浮かぶ弁天堂は、琵琶湖に浮かぶ竹生島と竹生島の宝厳寺を模して建てられました。
宝厳寺は弁天様をお祀りしたお寺で、ご本尊の大弁才天は「日本三大弁才天」の一つです。
竹生島には船でしか行けません。
同じように、昔は不忍池から弁天堂への橋はかかっておらず、船で参詣していたそうです。
後になって参拝者の数が増えたため橋がかけられたのです。
そしてさらに、琵琶湖のそばには比叡山があり、鬼門の場所に延暦寺がありますが、不忍池のそばの寛永寺は江戸城の鬼門に位置していますよね。
琵琶湖を見て育ったものから見るとその景色はかなり異なりますが、江戸時代からこうしたご縁があったのか、と思うと急に親しみがわいてきました。
さて、本日の不忍池ですが、行楽日和ということもあり、白鳥のボートがいっぱいでした。
池の向こう側に弁天堂、その後ろはスカイツリーです。
空が高くてとてもきれいでした。
清水坂から清水観音堂へ
さて、不忍池のまわりをブラブラ歩き、ひと回りした後は、清水坂を上って、清水観音堂へ行きました。
清水坂といえば京都ですが、上野公園にも清水坂があったんですね!
はじめて知りました。
坂という名の階段でしたが…
不忍池から少し離れただけですが、人通りは少なくて静かでいい雰囲気でした。
清水観音堂には千手観音が祀られています。
この観音堂は京都の清水寺を倣って建てられたそうで、観音堂にも清水の舞台があります。
そして、舞台のすぐそばに「月の松」(歌川広重の浮世絵『名所江戸百景 上野山内月のまつ』にも描かれています)がありました。
月の松、というのは下の写真のように、木の幹が満月のように丸く造られた松で、江戸の職人技の妙が見て取れます。
月の松の幹の輪の中に、不忍池と弁天堂を見ることができます。
風情のある景色ですね
松の幹を丸くした月の松ですが、実は明治初期に台風で失われた後、平成24年に復元されたそうです。
昔も今も、まっすぐな幹をこんなに曲げてしまうなんて、すごい技術です。
清水の舞台と月の松を下から撮影してみました。
青い空に朱色が映えます。
上野で見つけた琵琶湖と竹生島、そして清水寺。
家から30分のこんな近くに故郷の景色があったとは!
上野公園は何度も来ていたのに、私、何を見ていたんだろう、と呆れました。
上野のバンクシーさんに遭遇!!
清水観音堂を出て少し歩くと、石だたみの道に出ます。
ふと見ると、その道の端の方に水がこぼれて黒くにじんだような跡がありました。
正確に言うと、誰かが水をこぼしたように見えたのですが、よく見るとこぼれた水の跡はこんな形をしていました。
ん?どこかで見たような…
なにかに似ている、もしかして!
シャア!!?
そして、さらにもう少し歩いていくと…
今度は完全にそれが「絵」だとわかりました。
その絵がこちらです。
え~!!
鬼滅の!
炭治郎?
「鬼滅の刃」は詳しくないけど、この絵はわかりましたよ。
すごい、すごい!!
だれが描いたの?!
と、その先を見ると、ひとりの男性が地面にしゃがんで手を動かしている姿が!!
近寄ってみると、水が入ったホットドッグのケチャップを入れる容器(ディスペンサー)これです
☟☟☟
これで道に水で絵を描いていたんです。
彼の手の動きは無駄がなく素早く正確で、みとれているうちに、もうその絵が完成していました。
次は何の絵だったと思います?
老若男女に愛されている、とってもカワイイ女の子です。
はい、
この子です!
(写真はすべてご本人の許可を得て載せています)
おわかりですね。
『魔女の宅急便』のキキと黒猫のジジでした。
この絵、水で描いてあるんですよ、上手すきる!
すごいと思いませんか?
キキとジジは、ホウキに乗ってどこへ飛んでいくんでしょうね?
シャアも炭治郎もキキも、あまりにも見事な出来栄えでした。
こんな絵を見たのも、絵が完成する過程を目の前で見たのも初めての体験で、私はとっても興奮しました。
そして、思わずその男性に声をかけてしまいました。
上野公園で描いたのは、今日が初めてだったそうです。
そしてディスペンサーの中はやはり普通の水でした。
だから、シャアの絵はもう薄くなっていたんですね。
消えちゃうのはもったいないなぁ。
こんな素敵な絵を見ることができて、とてもラッキーでした!
上野のバンクシーさん、ありがとうございました!!
また会えますように。
ほんの数時間、ふらりと出かけた散歩は、思いもよらない充実したひとときでした。
計画なしのぶらり散歩、次はどこに行こうかな~