私には、年に数回しか作らない特別メニューがあります。
うちにはこどもが3人いて、末っ子も今年成人式を迎え(図体だけは)すっかり大人になりました。
そんな彼、彼女らが子どもの頃に、この特別メニューを決めました。
きっかけは、ある料理研究家の一言です。
「これはうちの息子の大好物なんだけど、大好物だからあえて誕生日にしか作らないことにしたの。特別な日だから」
それを聞いたとき思ったのです。
特別な日に大好物が食べられる、っていいな、よし、私も特別メニューを作ろう、
と。
そんな特別メニューとは
「鶏のから揚げとかぼちゃのスープ」
から揚げもかぼちゃのスープも子どもたちの大好物で、それまではわりとよく作っていました。
それが、誕生日とクリスマスしか食べられない特別な料理になりました。
おかげで、誕生日の当日は、本人もほかの子たちも大喜び。
大皿に盛られた1キロ超級のから揚げの山をもりもりと、
見ていて実に気持ちいいい食べっぷり。
あれよあれよという間にお皿は空っぽです。
おいしい!おいしい!
無限に食べられる!
これなら店が出せるよ!
おかわり、ちょうだい!
とかなんとか。
ほめ上手な彼らの言葉に乗せられて、作り続けて20年を越えた次第です。
特別メニューにしたおかげで、
面倒だから作りたくないな
って思うこともなかったし、
彼らが喜ぶ顔を思い浮かべると、
よし!作るぞ!って気合が入りました。
空っぽになった大皿を見ると、よしよし、と自己満足に浸っていたものです。
そうして、あっという間に時が流れ…
今年の私の誕生日のことです。
嬉しいことが起こりました。
長らく私が守り続けてきた特別メニューを、ちょうど、大学の休みで帰省していた娘が作ってくれたのです。
仕事から帰ったら、から揚げとかぼちゃのスープがテーブルに並んでいました。
わあ、すごい!
から揚げは、いつものニンニクしょうゆ味とカレー味の2種類。
衣は小麦粉と片栗粉が1:1の割合です。
カリッとあがり、香ばしさも満点です。
クリーミーなスープはかぼちゃと新玉ネギの甘さがたっぷり。
無限に飲める!
大絶賛の味でした。
子どもって、自分が食べてきた味を覚えていてくれるんですね。
当初は、まさか子どもたちに特別メニューを作ってもらえる日が来るなんて思ってもいませんでした。
子どもが小さい時はいろんなことに追われて、とにかく忙しい日々の連続です。
時間も気持ちにも余裕が持てなくて、
料理も本当は作りたくないけど仕方なく作っていたり、
外食に頼っていた時もありました。
でも今は、あの時頑張ってよかったな、と思えます。
子どもたちは、親が頑張っていることを覚えていてくれるんですね。
やっと報われた~
そして
から揚げもスープもすごく美味しかったよ、ありがとう!
そんなある日の出来事でした。
★我が家のから揚げレシピ