HANAのおと

50代主婦hanaの雑記帳。おもしろい、役に立つ、覚えておきたいことをあれこれと書いています

日比谷花壇_父の日ギフト

ソメイヨシノと一冊の本

 

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都内では八重桜が散りはじめました。そろそろ桜の季節もおしまい。

春の訪れとともに真っ先に花をつけ、私たちの目を和ませてくれる桜。

こんなに寒いと、せっかく膨らんだつぼみが風邪ひいちゃうんじゃないか

強風で、大雨で、開いたばかりの花が落ちてしまうんじゃないか、

なんて、

今年はゆっくりお花見とはいきませんでしたが、やっぱり花のことは気になります。

 

tenki.jp

 

開花情報を見ると、札幌と釧路の開花予想日がもうまもなくでした。

北海道ではこれからが桜の季節なんですね。楽しみですね。

と思ったら

 

 もう咲き始めているみたいです。

 

日本中が春を迎え、色とりどりの花が咲く頃には、少しでも状況がよくなっていてほしいなぁ。

 

 

ソメイヨシノは人の手で作られた花

 

ところで、この開花予想の基準となっている桜「ソメイヨシノ」は、学校や公園、堤防や土手などいろんな場所に植えられていて、とても身近な存在です。

葉が出る前に薄いピンク色の花をいっせいに咲かせる姿は、どこで見ても、何度見ても美しい!

思わず足を止めて見入ってしまいます。

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ご存知の方も多いかと思いますが、ソメイヨシノは自然に生えていた木ではなく、江戸時代末期から明治初期に江戸の染井村(現在の駒込)の植木職人たちによって作られた品種です。

当時は吉野桜とよばれていたそうです。(桜の名所として古くから名高い吉野山の「吉野」にちなんで)

後に、吉野山のヤマザクラとは違う品種だとわかり、区別するために染井村の「染井」の名から染井吉野と名づけられました、それが1900年(明治33年)ですから、ちょうど120年前のことです。

 

いっせいに花を咲かせる姿が美しいソメイヨシノですが、人工的に改良されて作られたために、同じ木の花では交配できません。

そのため、土台に枝を継ぎ足して増やす接ぎ木という方法で作られているそうです。

接ぎ木で増やすと全く同じ遺伝子を持つ桜が生まれます。

つまり、今あるソメイヨシノはみなクローン。

接ぎ木がしやすい、育てやすい、そして成長が早いことなどから日本各地に植樹され日本中で見られるようになったそうです。

有名な桜守の方が以前こうおっしゃっていたのを聞いたことがあります。

人間が作り出したもので、おもしろさがない

と。

 

 開花にすべての力を注ぐ花

 

私は、満開の桜を見ると、読み返したくなる一冊の本があります。

それは、『花競べ~向嶋なずな屋繁盛記』、著者は朝井まかてさんです。

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舞台は、寛政(1789~1801)期の江戸の町。

向嶋で種苗屋を営む若夫婦の物語です。

戦乱もおさまり、園芸を楽しむ人々も増えたころ。

本草学という学問が盛んになり、樹木を種から育てたり、挿し木や挿し芽で増やしたり、品種改良をして新種を作ったりという技術を学んだ花師たちがいました。

腕はいいが無口でぶっきらぼうな花師・新次と気性の明るい妻おりん。二人の店に持ち込まれる仕事(快気祝いの桜草、宴のための庭、門外不出の桜などなど)をめぐって話は進んでいきます。

自然が持つ草木の強い力を生かした種苗を作ろうと草木に実直に向き合う新次、そんな夫の助けになろうと一生懸命なおりん(強くて、でも可愛さもあって素敵です)。彼らを取りまく人々もまた魅力的です。

その話の最後に、新次が吉野桜(のちのソメイヨシノ)に添えた要説が登場します。

吉野桜

五弁の花びら、白に近い淡紅色

花は三つ四つが鞠のように集まりて咲く

葉より先に花開き、散り際の潔さは他に比類なし

江戸彼岸と大島桜を親に持つ交配種と拝察せり

生長は速いが開花にすべての力を注ぎて蜜少なく

結実すること稀で種を持たず

自ら子を増やす術を持たぬものなり

これを殖やすには、台木に吉野桜の挿し芽を接ぐ方法のみ

ただ、人のために咲く

なればこそ美しく、人の手を好む桜なり

 

 

人のために子孫を残す術を失い、ただ美しく咲くことに全力を尽くしてくれる花。

著者の花への愛情からあふれ出た言葉、

これを読んでから、ソメイヨシノを見る目がかわりました。

 

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今年も咲いてくれてありがとう


そんな言葉が自然と出てくるようになりました。

 

《参考》

ソメイヨシノ - Wikipedia

 

 

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