HANAのおと

50代主婦hanaの雑記帳。おもしろい、役に立つ、覚えておきたいことをあれこれと書いています

叔父が残した写真

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カメラ イメージ


Aちゃんのカメラの中に、どんな写真が入っているのか見たいんだけど…

と叔母から相談を受けたのは、3月に帰省した時のことです。

叔母は叔父のことを「ちゃん」づけで呼びます。

子どもがなかったせいか、お互いに名前に「ちゃん」づけで呼び合う二人。

いつまでも子どもみたいやな、ええ年して

と、同居していた祖母は笑っていました。

そんな叔父が亡くなったのは昨年の12月のことです。

 

叔母は、かなりの機械オンチで、生前、叔父からは

ワシのカメラを勝手にいじるな

と釘を刺されていたそうです。

ですから、叔父がいなくなった今、カメラに残っている写真を見たくても見られない状況に陥ってしまいました。

 

デジカメなんだから、簡単に見れるよ、

とは伝えたのですが

 

壊したら嫌やし、HANAちゃんがやってよ、

 

というわけで、

叔父が残したカメラに収められている写真を、いっしょに見ることに。

 

せっかくなので、パソコンを持ち込みました。

 

叔父はいったいどんな写真を撮っていたのか

見てはいけないものが写ってはいやしないか

 

ちょっとドキドキしながら開いてみると

 

はじめに出てきたのは狛犬の写真。

それも、1枚や2枚ではなく、数十枚の狛犬の写真が並んでいました。

正面から、横から、背後から。

必ず「阿形」「吽形」(口を開けているのと、閉じているの)の対で撮られていました。

いろんな場所で出会った狛犬たちです。

毎日、散歩に出かけていた叔父は、叔母ともよく一緒に歩いていました。

 

そういえば、Aちゃん(叔父)は、狛犬が好きやった

 

行く先々で狛犬を見つけては、よく眺めていたそうです。

 

さらに写真の再生を進めると

 

叔母の見慣れた景色が写っていました。

 

山道の途中にあるお地蔵様

 

石像

 

 

庭に住み着いたカエル

 

カエル

 

庭のカエル

 

ふらりと遊びに来るどこかの飼い猫

 

猫1

猫2



猫3

 

 

窓越しの庭

 

窓越しの庭

 

こうした写真は、癌(ステージ4)の宣告を受けてから亡くなるまでの5年ほどの間に撮影されたらしい、ということでした。

叔父は、カメラの日付の設定をしていないので、いつ撮ったのか、はっきりとはわからないのです。

 

設定とか飛ばしていきなり撮る、そこがAちゃん(叔父)らしいな、

と叔母。

 

パソコンの画面いっぱいに映し出された300枚ほどの写真を見終わって、叔母は満足したようです。

 

ああ、これは〇〇の写真だ、

これは、あそこに行った時の写真、

これは、うちの庭のカエル

この猫は、よく遊びに来てた子

カメラの中には、叔父と叔母が一緒に見た景色がたくさんありました。

どの写真も、叔母の知っているものばかりでした。

写真の一枚一枚を、ゆっくりと時間をかけて隅々までながめ、その場所がどこで、叔父がどんな様子だったのか、叔母はとても懐かしそうに話してくれました。

 

そして、そんな二人が慣れ親しんだ景色の中に1枚だけ

叔母が初めて見たという写真が出てきました。

 

それは叔母の写真でした。

 

山歩きにつかれた叔母が、丸太の上で疲れてノビているところを、叔父がこっそりパチリと撮っていたようです。

それを見た叔母は

もう、いつもこんなん(こんな写真)よ!

まともな写真はとってもろたことなかったわ

 

すねたように言いながら、目を潤ませていました。

 

最後は、気に入った数枚の写真を、叔母のスマホに、いつでも見られるようにダウンロード。

 

叔父が残した写真を一緒に見て、叔父を思い、胸の奥があったかくなりました。

そんなゴールデンウィークの1日でした。

 

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