夏の夕暮れ時、近所を散歩しているとどこからともなく流れてくる蚊取り線香の匂いに、お風呂あがりに天花粉(ベビーパウダー)をはたかれて全身粉まみれだった子どもの頃を思い出すHANAです。
昭和の夏の風物詩「蚊取り線香」を煙たいとか線香のにおいがちょっと…と苦手にされている方もいるようですが、今も変わらないあのにおいをかぐと、私はなんだかホッとします。
今年は夏でも窓を開ける機会が多くなりそうですから、蚊取り線香の出番も増えそうですね。
さて、そんな「蚊取り線香」を題材にしたとっても面白い絵本があるんですが、ご存知ですか?
作者は勢いのある豪快なタッチの絵が印象的な田島(たしま)征三さんです。『とべバッタ』の作者と言えばご存知の方もいらっしゃるかも。
そんな田島さんの手にかかると、身近な蚊取り線香も最強の道具に早変わり。
読み進めるうちに、いったいこの煙はどこまで行くのか、果たしてこの結末はどうなるのか?
と目が離せなくなりますよ!
『かとりせんこう 』
田島征三 作
福音館書店
かとりせんこうのけむりがゆらゆらと立ち上る様子を、ゆっくり、まったり、歌うような言葉で表現しています
けむりが もんもん
かが ぽとん
けむりが もんもん
かが ぽとん ぽとん
歌うように繰り返されることばが、じわじわと脳に刻まれていく感じです。
けむりが もんもん
◯◯がぽとん
けむりが もんもん
□□がぽとん
このくりかえし
クセになります。
けむりは、もんもんとしながらあたりにじわじわと広がっていきます。
そしてそのけむりのききめは、蚊だけではなく、周りにいる人や物にも影響を及ぼしていきます。
おはながぽとん、
おじさんのひげがぽとん、
新聞紙の字がぽとん…
ぽとんぽとん
さらにけむりは家の外へ、もっと広い世界へ、
そしてついに地球の外にまで!
このけむりはどこまで広がっていくんだろう、
ちょっと心配?でもわくわくしながらページをめくると最後には…
結末はぜひ自分の目で確かめてください!
かとりせんこうのけむりから広がる、壮大な世界を楽しめる作品。
読み終わるとまた最初から見たくなります。
何度でもくり返しおたのしみください!
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